コンタクトの度の強さを示す数値。
-1.00,-3.00,-4.75などで表示されています。数値が大きくなるほど度が強くなります。
なお、「+」は遠視用のレンズを示します。
カラーレンズには度のないもの、「0.00」も用意されています。
◆CY/AX乱視用の数値。
乱視レンズのオーダーにはPWR,BC,DIA以外にこの数値が必要です。
CY(円柱:-0.75,-1.25,-1.75等)、AX(軸:10,20,70,110,160,180等)で表されます。
◆ADD遠近両用の手元補正用の数値。Acuvue Bifocalなど。
遠近両方レンズの度数はPWR -5.50(+1.00)と2つの度数が表示されています。
この数値は、遠くを見るときは-5.50で、近くをみるときは+1.00ゆるめるという意味です。
遠用の度数に対して、手元用に+1.00〜+3.00までゆるめることが可能です。
◆マルチフォーカス遠近両用タイプのひとつ。Focus Progressiveなど。
手元補正を(+3.00位まで)無段階で調整するタイプです。Acuvue Bifocalなどの固定補正用のタイプと違い、補正度合は個人差により異なります。
コンタクトレンズを安全に装用するには決められた装用時間、コンタクトレンズ洗浄、消毒、保存などの取り扱いを使用書にそって守る事である。
初めてコンタクトレンズを装用開始するにあたり、まずコンタクトレンズ使用説明書や洗浄・消毒液使用書をしっかりと読んで、わからないことがあればコンタクトレンズを処方した眼科医や医療従事者に聞いて理解する事が大切である。
【装用時間】
各コンタクトレンズは装用時間が厚生労働省の承認の際に決められている。
【終日装用】
通常のコンタクトレンズは終日装用で、朝から寝るまでの14−16時間の装用である。
装用者によってその時間は異なる。装用時間が長くなって充血するようであれば、充血する前にコンタクトレンズをはずす事が大切である。
無理に装用を続けると不具合が生じる。
【連続装用】
就寝時にもコンタクトレンズの装用を続け、現在連続装用は最大1週間である。
連続装用可能なコンタクトレンズでもすべての人が1週間連続して装用できるとは限らない。無理をして装用を続けると不具合を生じる事がある。
【洗浄】
コンタクトレンズ使用後の洗浄は大切で、コンタクトレンズの汚れは装用中に付着した眼脂、コンタクトレンズ着脱の際の手指から付いた汚れ、マスカラなど化粧品などである。
洗浄の前には手指を石鹸でよく洗う。手指の皮膚には常在細菌叢が存在している。
【A.ハードコンンタクトレンズの洗浄と保存】
RGPレンズは表面の濡れ性を良くするために親水性の表面処理が施されているため、汚れやすい事がある。
コンタクトレンズの汚れは被膜となって固着するためにコンタクトレンズの酸素透過性の低下、角膜障害を引き起こす事がある。
洗浄液には界面活性剤や微粒子を含有した洗浄液がある。最近は蛋白や脂肪の汚れを取るために酵素(リパーゼ,パパイン)を配合した洗浄液が市販されている。
「つけおき洗浄」は「こすり洗い」に比べて洗浄効果が劣る。
コンタクトレンズは親指と人差し指で挟み込むように持ち、こすり洗いをする。この際、コンタクトレンズを縦に持ったり、無理に力を入れたりしてこするとコンタクトレンズは変形したり、破損したりする事がある。
【蛋白除去】
RGPレンズは蛋白の付着が認められることから、定期的に蛋白除去が必要である。
蛋白質を遊離分解する酵素剤を用いての洗浄を行なう。
【B.ソフトコンタクトレンズの洗浄・消毒】
ソフトコンタクトレンズは一般に含水性の材料のため、コンタクトレンズの表面やコンタクトレンズ内に蛋白や脂質などの汚れや細菌、真菌など微生物が付着しやすい。
そのために洗浄・蛋白除去、消毒を十分に行なう必要がある。
i)洗浄:
消毒する前にレンズ表面に付着した汚れ(細菌)を出来るだけ取り除く事である。
コンタクトレンズの洗浄には水道水、生理食塩水が使用されていたが、最近はわが国でも洗浄・消毒保存を1液で行なうマルチパーパスソリューション(MPS)消毒液が使用されるようになった。MPSは細菌や真菌、アカントアメーバを完全に死滅させる事は出来ないので、消毒前に細菌などが病原性を出さない数まで減少させる事が大切である。
コンタクトレンズをはずしたら、まず生理食塩水やMPSで十分にすすぎ、さらにMPSを数滴レンズ表面に滴下して人指し指で約20回ほど軽くこすり、さらにコンタクトレンズ裏側も同様にこすり、再度MPSでコンタクトレンズ表面、裏側をそれぞれ10秒ほどすすいで汚れを出来るだけ除く。
ii)消毒:
a)煮沸消毒(熱消毒):
今日ではほとんどコールド消毒が用いられているが、以前は100C 10-20分の煮沸消毒が行われていた。
熱によって細菌などは死滅させる事ができるが、レンズの汚れを除去してから煮沸しないと、レンズ内に蛋白が凝固変性しアレルギー性結膜炎の原因となる。
b)化学消毒(コールド消毒)
イ)過酸化水素消毒:
過酸化水素から生成されるフリーラジカル基が細菌の細胞壁や蛋白質、脂肪と反応して酸化し変性させる事によって微生物を死滅させ効果を発揮する。
細菌の芽胸には効果がなく、また真菌、ウイルス、アカントアメーバには効果が弱い。
過酸化水素は毒性があり、中和が必要である。中和を忘れると眼刺激症状ある。消毒液は3%の溶液が用いられ、中和剤としてチオ硫酸ナトリウム、白金、カタラーゼが使用されている。使用方法には1ステップと2ステップがある。中和するまでには中和法によって異なるので注意が必要である。
ロ)マルチパーパスソリューション(MPS):
今日わが国ではこの消毒液を使用している人が多い。本消毒液は消毒剤として塩化ポリドロニウム、塩酸ポリヘキサニドが用いられ、緩衝液にクエン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩が使用されている。界面活性剤は製品によって含まれているものと入らないものとがある。
本消毒液の特徴は1液で洗浄、すすぎ、消毒、保存を行うことが出来、簡便性であるが、真菌、アカントアメーバや1部の細菌には有効性が低い事、消毒剤のアレルギー性反応を起こすことがある。他の消毒剤に比較して消毒効果が弱いことから、レンズのこすり洗いを十分に行い補う事が大切である。MPSに4時間以上保存する。
ハ)ポピドンヨード消毒剤:
ヨウ素による消毒で、殺菌力は強い。
グラム陽性細菌やグラム陰性細菌に有効であるが、細菌芽胞には無効である。ヨードアレルギーには禁忌。
消毒液は中和が必要で、ポピドン顆粒と亜硫酸ナトリウムの中和錠と塩化ナトリウム液を入れ4時間放置する。グループUの一部のレンズには使用することができない。